なわとび

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」 という言葉がある。「身体が健康であれば、精神も自ずと健全になるものである」みたいな意味で使われているが、どうやら誤用らしい。実際は、「健やかな身体に健やかな精神が宿るべきである(現実はそうでないことが多い)」 みたいなニュアンスであるようだ。ちなみに、この「健全なる精神は健全なる身体に宿る」という言葉はハンディキャップを持った人たちに配慮して放送禁止用語に設定されているらしい。ひとつ学びましたね。

 

まあどちらの意味が正しいかどうかに関しては知ったこっちゃないのだが、心身共に健康であって損はしない、ということで体を動かしてみよう!という気になった(つねづね思っているが)。いつもなら「体を動かさなきゃ!」と思うだけでなにもせず終わるが、今年のわたしは一味違う。なんと今回は実行に移した。

話は少し脱線する。まず前提として、わたしは運動が嫌いだ。理由は、学生時代の体育の授業のほとんどの割合を占める球技がすこぶる苦手なのと、毎年節目節目でやってくる水泳、持久走(長距離走)に苦しめられた過去があるからである。わたしが人並みにできる運動といえば、小学生がするようなレベルのマット運動、なわとび、跳び箱、短距離走ぐらいだ。そのせいで「運動ができないくせに妙にすばしっこい奴」の烙印を押され、走りたくないのに、運動会や体育祭で徒競走やリレー競技だけやたらと走らされていた。

徒競走はわたしが勝手に走ればいいだけなので気楽なものだが、リレー競技となると他人が関わってくる。小学生の頃、市の小学校の合同運動会みたいな行事で、知らぬ間にリレーの選手に選ばれ、渋々練習に参加させられていたのに「やる気がないなら帰れ」だの「どうしてそんなにやる気がないんだ」だの責められムッとした記憶だけが残っている。結局最後まで練習には参加したし、当日もちゃんと走った。小心者なので。「やればできるじゃん!」と同級生に褒められ、またムッとした。

中学生の頃は軟式テニス部に入っていたが、正直中学時代の記憶がほとんどないので覚えていない。ただ、ペアを組んでいた子とずっと辞めたい辞めたいと言いながら結局引退まで続けた。その子があまり部活に対して積極的じゃなくてよかった。もしかしたらわたしがあまりにもやる気がなかったので合わせてくれていたのかもしれないが。

高校、大学では体育の授業以外で運動することはなかったし、大学に関しては体育すら取っていなかったので、わたしの最後の運動らしい運動の記憶は高3の冬にテニスだったかバレーボールだったかをしたことだと思う。

あと、わたしがあまりにも運動をしたがらないので、珍しく走っていたりすると「走ってる!!!(笑)」と笑いものにされる事も運動が嫌いな理由の一つである。

以上の理由から、6〜7年ほど運動らしい運動を避けて生きてきたが、冒頭で述べたように、ある日突然、なんとなく体を動かしてもいいかな〜という気分になった。ここ2年ぐらいの、精神を病んだり迷走神経反射で失神して救急車で運ばれたりといったことで体力の衰えは感じていたし、ちょうど良いだろう。まあ体力が有り余っていた時期はわたしの人生のどこを振り返ってもないのだが。

 

気軽にできる運動といったらウォーキング、ランニングあたりなのだろうが、何年も運動を避けて生きてきた人間がいきなり走るのは絶対に続かないし、何より行ったぶんだけ帰ってこないといけないのが億劫である。往路だけで体力を吸い取られてしまうのが目に見えている。

ジムに通うのもタダではないし、三日坊主の常習犯のわたしにはハードルが高い。通うにしてもある程度定期的に運動する習慣が身についてからだろう。

こうなったとき、わたしが自分のペースで続けられて、かつ1人でできて(運動しているところを誰にも見られたくない)、それなりに楽しくできそうな運動。それが なわとび だ。なわとびしかないと思った。

 

Twitterで、「なわとびってスポーツショップ以外でどこで買えるの?」と聞いたところ、どうやら百均にあるらしいということをフォロワーが教えてくれた。フォロワーLOVE。

翌日、早速わたしはダイソーでなわとびを買った。
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フォロワーも同じなわとびを買っていたので真似した。なんとラメが入っていてキラキラしている、超イカしたなわとびが110円(税込)で買えてしまった。まあこの値段なので、もしかするとすぐ壊れてしまうかもしれないが、壊れるまで続いたら丈夫ななわとびの購入を考えようと思う。

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帰ったその足で400回跳んだ。死ぬかと思った。無理はするものではない。どうやら1分間に60回跳ぶぐらいのペースで10分間跳ぶのがいいらしい。慣れるまでは休み休み10分間で続けようと思う。強制されない運動はこの辺の融通が利くので非常にいい。

初日は夜の21時ぐらいに行ったので、誰もいなくてよかった。2日目は17時ぐらいに行ったら親子連れがテニスをしていた。最初は1人でなわとびなんかしていたら変な目で見られるかな…とか恥ずかしいかな…と心配していたが、親子連れはテニスに夢中だったし、わたしもわとびに必死だったので、余計な心配だった。自意識過剰に対するリハビリにもいいかもしれない。3日目は14時ぐらいに行った。公園には誰もいなかった。さすがニートタイムである。今後は夜とニートタイムを狙って活動しようと思う。

Twitterなわとび部」なるものを設立し、群れることで三日坊主はなんとか逃れられたので、私にしては上出来ではないだろうか。とりあえず。

 

なわとびしてる暇があるなら職を探せという意見に関してはわたしが一番よくわかっているので、心の中にとどめておいてほしい。チクチク言葉ですよ。