マッチングアプリという名の自傷

ここ1〜2年の間、マッチングアプリの利用に精を出している。女性は大抵の場合無料で利用できるため、家から出ることなく適当な人間とコミュニケーションを取ることができる愉快なツールである。

わたしはある程度親密な関係になってからでないと人を好きになれないし、他者に対して性的欲求が向くことが(おそらく)無いため、マッチングアプリを利用する主な目的は暇つぶしである。しかし、時にその目的から逸れた使い方をしてしまう。これは別に利用規約に違反しているとかではないと思うが、わたしが後から後悔したり嫌な気持ちになったりしているので、ここでは良くない使い方と表現させてもらう。別に利用する本人が満足してその使い方をしているのであれば、全く問題ないと思う。

(私的)マッチングアプリの良くない使い方

  • 承認欲求を満たすため
  • 自傷

まずは「承認欲求を満たすために利用する」パターンについて。こういったアプリでは大抵、お互いが”この人いいな!”と反応したらマッチングし、相手にメッセージが送ることができるというパターンがほとんどである。自分が”顔が好み”だとか”なんだか面白そう”だとか適当な理由で相手にいいね!を送った時、その相手とマッチングすると承認欲求と自己肯定感が満たされる。他人からこの人良いな、と思われる程度には私にも魅力があるのかと大変気分がいい。

しかしながら、そういった人の中には一定数「性欲を満たすために都合のいい人間を探している人」や「本気で恋人(結婚相手)を探している人」もいるので、自分の利用目的とのギャップで嫌な気分になることも少なくない。しかし、その場合でもそういった目的でないことを伝えたり、問答無用でマッチを解除することで解決するので、特に大きな問題ではない。

次に「自傷目的での利用」について。これに関しては、その当初はわたし自身も「さあ自傷をするぞ〜!」などと言ってしていたわけではなく、情緒が不安定なタイミングで魔が差してやってしまったが、後々考えると自傷行為だったんだろうな、と気付き後悔するパターンである。

話は少し逸れるが、わたしは幼少の頃から「爪を噛む」だとか「髪の毛を抜く/切ってしまう」といった、度が過ぎれば自傷行為と見なされる癖が身については治す、身については治す、というのを繰り返してきた。意識的にやっているのではなく、ストレスを感じたタイミングで無意識にしてしまっているのだ。

これらの癖と似たような動機で、マッチングアプリで知り合った、特に仲良くなった訳でもないよく分からない男性と会う、という行為を時々してしまう。奇跡的に仲良くなってお友達が増えることもあるが、大抵の場合はよく知らない男に馴れ馴れしく近付かれ、さらにベタベタ触られて嫌な思いをして帰ってくることになる。嫌なら会わなければ良いのでは?と自分でも思うが、「よく分からない男に馴れ馴れしくされて可哀想なわたし」がいることで安心している自分がいるのも事実である。わたしはわたしが可哀想で落ち込んでいる方が、なんとなく心が落ち着くのだ。心のどこかに「幸せで浮かれている自分が気持ち悪い」という気持ちがあるのだと思う。

ただでさえ男性に苦手意識を持っているのに、これらの行動のせいで、今まで以上に男性に対する苦手意識が膨れ上がりつつある。しかし、マッチングアプリの男性達がわたしの承認欲求・自己肯定感を満たしてくれる限りは、これからも情緒が不安定になるたび、何度嫌な思いをしても素性のよく分からない男性に会いに行ってしまうのだと思う。何かしらのトラブルやら犯罪などに巻き込まれた時は心配して欲しい。